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いらんことばかりする

完全オフ日。ずっと稽古しなければと思っていた新ネタを稽古する日。
とりあえず、洗濯して。あ、アイロンかけよ。ごはん食べて。そや、返信しな。
そうそう。ここ埃たまってた。
あ。要らんタオルを雑巾にしよ。チョキチョキ。
お昼すぎたらやろか。眠い。食べたらねむたなってきた。
ちょっと仮眠しよか。
アイス食べて、ちょっと、ちょっとだけよ。
今ここ。
やるきスイッチ、肩甲骨の間あたりにあるとおもう。
今、肩痛めてて押せんのやわ。
押せる目途もないわ。うー。
新作、最初の一歩が一番くるしい。くるしい。逃げたいデエ~。

歳といって諦めてはいけませんね

母がどこかを骨折して1か月。
(自宅療養につき、レントゲンを撮っていないので、正確にはどこが折れたか不明。おそらく第六頸椎)
最初は寝返りも打てなかった母が、寝返りがうてるようになり、ひと月たって、立てるようになった。
立てた時、そして、数歩あるけたときは、感無量であった。
「たっちが上手!」
ベイビーの20分の1くらいの喜びではないかとは思うが、それでも嬉しかった。

そして、昨日、手押し車でキッチンにやってきて、私に八宝菜のつくり方をレクチャーした。
こんな日がもう一度やってきたか。
トイレに行けない時は、自宅介護の大変さを少し理解した。
真夜中に呼び鈴で呼ばれ、何度もベットにいった。大量の洗濯物。
それでも、看護師さん、ヘルパーさんが万全の体制で支えてくれて、振り返れば思い出深いひと月。
私は毎日毎日、和・洋・中と全食違う料理を出した。
母は料理が好きであったので、生涯食べる係かとおもっていた。
なので私の「料理をして食べてもらいたい」というストレスも発散できたように思う。

ちょっと感動した。
90歳超えても、やはり治すぞという気持ちで頑張れば、復活するんだ!
まあ1ケ月寝たきりで筋量が落ちても、体重も6㎏減ったので、バーベル+6㎏で寝つく前は鍛えてたもんなあ、とコソっと思ったが。

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母を一人にして、また元の家に住む日も近そうである。
来週末くらいから、娘から、まずは2泊3日の人妻に戻る。

<来年の目標>

今年・舞歌落語実験室を立ち上げ、なんとかお尻を叩いて新作4本作りました。
新作もいいけど、来年は新作は1本にして、今迄作った落語の見直しをしたいとおもいます。
紺屋高尾のB面「太夫高尾」を納得いくストーリーに仕上げる。
創作偽古典「勘所」を覚えてやってみる。
古典改作「書割盗人」をブラッシュアップする。
そして新作は1本くらい作る。

さっき、一年の覚える予定をスケジュールに書き込んだら、「時間ないやん!」くらい忙しい気がしてきた。

「試し酒」も、満足いくところまでやりきりたい。
創作「民衆の歌(鳩衆の歌?)」も、長短自在にできる形でやってみたい。
創作「廓の螢」も来年はやりたい。
やりたいことがいっぱいあります。
古典は、「文七元結」「鰍沢」「宗論」も数年以内には覚えてみたい。
フィリピン妻の「紙入れ」もやっぱり仕上げてみたい。
書いたことで、来年末、どこまでやれたか振り返ってみましょう。

今年の漢字1字は「移」でした。
力むでなく、何か、自分の性格も暮らしも変わっていった。
「流」でもなく「変」でもなく、「移動」の「移」。

来年の1字は「再」としましょう。
さあ、どういう一年になるかな。

クリスマスケーキ

クリスマスケーキを作りました。

落語を始める前の趣味はケーキ作り。
4~5年通い、初級中級上級そして研究科へと進みました。

これは簡単なケーキですが、
ツリー型を抜くのが少し難しかったです。

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実はケーキ好きではありません(笑)。
作って誰かに渡すのが好きなのです。
老後の小銭稼ぎになればと、習い始めました(心配性なのため)。
でも今年は、渡す相手がおらず、仕方なく自分で食べます。

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25日は、女性5人の落語会に行きました。
推し女流の落語家は「春風亭一花さん」です。
大学時代は演劇サークルだったらしく、落語の人物の感情表現がとてもお上手で、特に「男性」を男性にちゃんと見える形でやってくださるので大好きです。
講談の「いちかさん」も好きです。
脇道にそれず、まっすぐに話の世界に引き込もうとする心意気と、そして、その高座がすきです。

自分も少し前までは、若手の落語演者(アマチュアなので落語家ではない)だったはずですが、すっかり年配側になりました。
私もがんばらねば!
背中を、若い女流さんが、一生懸命な姿が後押ししてくれます。
背中を押してくれるのは、おなじ女性だから。

だけど、落語も講談も、女性だから好きなのではありません。
男性女性若手年配含めても、この二人は好きです。
大阪の二葉さんを合わせ、私の「神スリー」です。



2022年から、未来を見つめて笑う。

先週で年内の落語は終わりました。
そして今、年末音楽特別番組で、パフィの“愛のしるし with Hoodie fam”を聴きながら、少しづづ夢に近づけている気がして、少しうれしくなっています。
なぜ、この曲を聴きながら?(笑)
パフィはいまもめっちゃ綺麗だけど、47歳と50歳、若者にとっては「おばさん」?(ごめんなさい!)
その彼女らが、20代?くらいの若い男性を後ろに従え、楽しそうにやっているのをみて、最近ほんま若い子、めっちゃ優しいよな、と改めて今年一年を振り返ったのです。

自分が年を取れば、若い世代の人たちとは、境界線みたいなものができるのだろうと思っていましたし、うっとおしいと思われる存在になるのではと思っていました。

先のこと、先のことを考えていつも不安になったり、準備したりする癖のある私としては、70代とかで落語をしていたとしても、「年寄だけで集まってやっている」一員でなく、いつも若い感性を持ちつつ(この言い方が既に老けている!)、20代・30代の人たちともキャッキャいいながら、寄席を作る一員になりたいなと思っていました。

恥ずかしながら告白すると、子ほめや、平林に手を出しているのも、そういう下心があってのことです。
前座で出られる「おばあちゃん」を目指しはじめていました。
性格も、取り組んで来た落語も、とにかく重い系なので(笑)。
性格的には、かわいいおばあちゃんにはなれないやろーけどな(笑)、と。

で、そんなことは横へ置いておいて、
この1年、自分は自分らしく暮らしていました。若ぶるでなく、年上を意識するでなく。
そんな中、いい関係が築けた年下の男女が、ここ数年、めっちゃ増えたような気がしています。
パフィの後ろのダンサーを見ても、芸能界とか、ラジオとか聞いていても、最近、年配を毛嫌いせず、リスペクトしてたり、親しくちかよってくれようとする若者が増えていると、思いませんか?

ゆとり世代とイジられた時期もあったかもですが、褒めて伸ばされた若い子たちは、色んな事をすんなり受け止められる、心のゆとりがある世代なんじゃないのか、などと思った訳です。

「なんか、思てた未来と違ごてきたわ~!この先が楽しみやんかいさっ」

なんか嬉しい。嬉しい年末です。

わ~今日クリスマスイブイブやん、いいプレゼントもろたわ~。

こたつに入りながら、今年を振り返りました。
「若い人に道を譲って」とか、そんな老けた上から目線はこれからもしません。
まあ、言い方は結構上からの時もあるみたいですが(笑)、上に居たことなんて一切ありません。
ひときわ、ビクビクして、やり過ごす落語も多いわけで、情けなくもあり、
一緒に泣いたり、苦しんだりしたいです。

自分より年上の落語仲間に対しては、29歳から、せいぜい38歳くらいまでのテンションでいてるし。
(この辺りは、ふてぶてしい!)

さてさて。
このブログを読んでくださった方、今年一年、お世話にまりました!

また来年もよろしくお願いいたします。

舞歌。


公推協杯 全国若手落語家選手権

私の落語史上、凍った凍りきった高座が2つあるのですが、その一つが浅草での「動物園」
何がどうだったのか、客席が、水を打ったような静けさ、いやそれ以上に、その水が凍って霜がおりるのが見えるようでしたが。
昨日、プロの「公推協杯 全国若手落語家選手権」
一人目の柳亭市童さんの時が同じでした。
原因はわかる。
客席の半分が「招待されて初めて見る人(男性が若い女性を落語を知った顔で連れてきたりしているが実は知らない。
落語の演目を読み違えて教えてたりするのが聞こえてくる)」
半分が、落語通という感じの高齢男性。
それらが全員、審査員として票が配られている。
笑わない。誰も笑わない。客席の少なくとも「お初」系は緊張している。
私が笑っても、浮く感じになってきて私まで声をころす。
最後までやりきるのが辛そうだが何度も立て直している。
さすがだ。だけど、ご本人相当辛いだろう。
一人目って怖いし、腕がいる。昨日の一人目と五人目、違えば違う景色だったとおもう。

自分と比べて語るのも不遜だけれど、あの日を思い出した。
客席の緊張を全解きするくらい、出演者の「緊張感のなさ」「ゆるさ」が必要な感じ。
100人の緊張を、一人の緩さで解く、これは本当に大変。
元々フラがある人、トボけた人はいいだろうが、ちゃんとやる人ほど、それはムズい。
市童さんはきっと勉強熱心な方だとおもう。
綺麗で、楽しい古典落語だった。
大工調べ、今日の客席以外で聞きたかった。どんなに素晴らしい落語として楽しめたと思う。
客席の静かさは、客席の客さえ制し楽しみを奪う。

昨日は一人目で氷河、二人目で一発勝負の客席に毒を吐くマクラでカンフル剤を打ち、三人目の「ぐんまさん」の新作でようやく緊張が解けた。3人かかった。
ああ、笑う人を数人誘っていけばよかったな。
私の低い笑い声じゃたりないわ。

卓上カレンダーと葉書

2023年の落語卓上カレンダーを300円、販売しています。
落語でお知り合いの、本職がイラストレーターの金夢さんが書いた絵が添えられていますが、
江戸落語寄り?既に何年か作っているので描かれる落語がちょっとコアなものになっています(笑)。
販売を予定していた年末年始の落語会が飛び在庫がありまーす。
買ってもいいぞという方は舞歌までお声がけ下さい。

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あと、ポストカードも販売しています。以下にて!
http://kineduka.net/flip-h.html

社会人落語日本一決定戦 予選敗退

昨日の社会人落語日本一決定戦in大阪、決勝には進めませんでしたが、その後の飲み会で、何か足りない、何か整ってないと思っていた事や、どう変えたらと思いつかなかった大変良い気付きを貰えました。
骨組み残してガガッと手を入れようと思います。
もし何か評価されてたら変えるのに躊躇ったかもしれない。
結果的に落ちたことが大変意味のある事となりました。
大人になって、何か夢に向かって頑張れたり、それに応援や叱咤が貰える仲間がいる、この趣味最高ですね!
食べあるきだけが趣味の人生で終わらなくて本当に良かった。
朝の大阪ホテルモーニングにて♥
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ちりとてちん杯 審査員特別賞を貰いました

行ってまいりました!2022年 女流落語大会ちりとてちん杯。
毎年、全国から多くの女性がやってきて、なんとも和気あいあいとした会です。
ほんの数年前は委縮しまくって、どこにたたずんでいたらいいのやろと挙動不審だった私も、3回目となれば知り合いも多く、のびのびと当日を過ごせました。
台風で新幹線が止まり、米原からレンタカーの予定が敦賀から。
それでも何とか間に合い、予選会、ラストで出演させて頂きました。

演目は「シンボルマーク卒煙」
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高座でおっぱいを連呼する、けったいな落語です。
数年前、落語仲間の男性がつづった子供の乳離れの日記をよみ、面白いなと。
「シンボルマーク卒乳」という、現代の乳離れシステムを知り、また、その方の
「子供の姿をみて、喫煙者を憂う姿」がさらに面白く、いつか落語にしてみたい、と。

今年は自分の会を持ち、会の名前が「実験室」。
よし、実験させてもらおうと、この落語を作ってみました。

ところが、私も初めて知った「シンボルマーク卒乳」というやり方を高座で伝えるのが難しい。
断乳も卒乳の耳慣れない言葉。
最初は説明が過ぎる感じ。
お母さん役で自分で再現していく。
抱く私。見上げる赤ちゃん。

結果、
「舞歌さん、舞歌さんがおっぱいおっぱいと連呼して赤ちゃん抱いてると舞歌さんのおっぱいを想像してしまって、エロいです」

ヒー!塩梅が難しい!
授乳せんわけにいかんし?
迷走。

2回ほど高座にかけてみたが、お客さん、キョトーン。
いいとは悪いとかじゃなく、「ふーん」みたいな?

仲間からの指摘 「で、これの、どこを描きたいんですか?」
そう、そうや、そこも迷走しとった。
赤ちゃんの乳離れと、お父さんのたばこ離れの合わせ技の噺にしたかったんや。
高座でゆっくり母乳やってる場合じゃない!
急遽、主人公をお父さんに変更!みたいな。

あと、いつもの「なんとなくいい話」っつうだけの落語もどきに、落語らしいクスグリとオチいるやん。
えー、何追加したらいいの?

「舞歌さん、人肌のドリンクバーっつうの、どうですか」
「お父さんの煙草はキャメルのラクダがいいんちゃいますか?」
「禁煙と卒乳がリンクしない、一緒にやったほうがいいんちゃいますか」

結果的に、仲間が言うてくれた事を取り入れてできあがった。
取り入れて?ちゃうやん。殆ど、みんなが言うた事でできあがってるやん!
これ、私の落語って言うたら失礼やわ(笑)。

ちりとてちん杯 当日。予選会。
想像してない笑いの量。いや、そんな、笑い待ちの時間取る予定なかったし!
心の中で、すいません進めます、と、無視して進める。

夜の発表会で、予選通過の知らせ。
あやめ師匠に 
私「明日までにどこか直すところないでしょうか?」
あやめ師匠 馬るこ師匠ともに 「無いです」
え?無い?え~!!嬉しいような、なんか複雑!!

あやめ師匠 「ただね、伸ばせばダレるのでそこは注意。だから、マクラでね、自分の時はこうだった、子供とこんなんでしたとか、そんな話をして、お客さんに、そうそうと、身近な存在と思ってもらって入ったほうがいい」
私 「はい!ありがとうございました」

そ、そこやがな~~!!
私、子供いてへんのよ、授乳してないのよ(笑)。
話したいけど、話せないやんかいさ~~(笑)。
「えと、私には(子供)居てないんですが、とあるお父さんの子供とのエピソードで・・・」

決勝前夜、落語仲間の前でマクラふってみたが
「うーん、子供がいないとかいうと、色々と想像させちゃいませんかねえ」

そうやねん。そう。子供いてなくても、別になんとも思ってないタイプやねんやけど、そうよなあ。
居ないっちゅうのを、あえて言うのもなあ。
そう。落語は想像させる芸やから、マクラも皆さん色々想像して聞いてくださるしな。

で、ほぼ、自分の事を語らない形で、決勝に臨んでしまった。
あやめ師匠、ほんま、貴重な助言、すんません~!まったく語れませんでした。

今思い返せば、おそらく15分の決勝の舞台、約3分くらい余らせたと思うので、丁寧に
「子供いないけど、それは何とも思ってない事で、でも、多分、居ないからこそ、このエピソードを新鮮に感じれたし面白い事だと気づけたんだとおもうんですよ!」とか何とか言ったらよかった。

まあねえ、マクラ、超絶苦手なんでね、5分もマクラしゃべったことないし。日本語苦手やし。
仕方ないっすよ。そんな腕ありませんから。

だいたい、当日のマクラで
「えっとお、米原からレンタカーでここに来るのを、
舞鶴に変えてえ~」

敦賀じゃ!

そっちのツルと違う!!
こんなことやってる時点で、もう、アウトじゃ(笑)。

そうそう、去年はオチにつながる仕込みを、マクラふるのすっ飛ばしたしなあ(遠い目)。

ま、とにかく、

あの噺、お母さんのお乳をファミレスにあるものに例えたり、動物に例えたりと、本当のお母さま方はおこったりしないだろうか?失礼じゃないだろうか?際際をせめすぎて、傷つけてはいないか?
その辺を知りたくて、この女性落語大会に連れてきた。

漫才のノンスタイルの石田さんが「4つんばいになって、子供にお乳あげている姿を逞しいし美しいと思った」
というリアルに後押しされて、私もそれは、母として美しい姿だと信じて、入れる事にした。
だから、披露した後、ママOB達に(あやめ師匠含む)好意的に受け入れられて、心底、ホっとした。

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母となった妻が神々しすぎて近づけない、というセリフは、私の中にチラリと影をひそめる雄性?が感じていたこと(笑)。

この話を沢山の女性に気に入ってもらえたことが、一番の賞品でした。
審査員特別賞は、すべての子育てしたママに送りたい。パパは煙草やめてね~(笑)。

私には、身に余る賞でございます。
同じく決勝に進んだ方々は本当に素晴らしかった。
私は、メンタル面の強化をしつつ(時間かかるよ、わかってるよ)。。。

様々に助言くださった方、本当に本当に、ありがとうございました。
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安芸ちゃんのこと

落語仲間・安芸ちゃん。
知り合ったのは相当に前。いま、手帳をめくると、2012年2月26日、とある。
10年以上前だ。
お互い若かった。

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最初から、端正な落語をする人だった。
こっちは、緊張で口から心臓と一緒に、胃も、胃の内容物もでそうな高座前。
男前な佇まいでいた、安芸ちゃん。
落語通?落語おたく?色んな話も噺家さんも、なんかよくわかっている感じだった。
二つ目さんのことを、二枚目さん、などと言っていた私とは裏腹に。

時々顔をあわすようになり、それから、同じ会の仲間になり、
いつも、彼女だけは(失礼か?)落語の稽古で、話の内容がよくわからないという事がなかった。
常にちゃんとした古典派。

そんなある日。
安芸ちゃんから、電話で

「舞歌さーん。わたし、安芸ちゃんの落語は面白くないってお客さんに言われたって、席亭に伝えられたんです」 
と、ぽつり。

安芸ちゃんもショックだっただろうが、私もショックだった。
それを伝えて来た人にも。
安芸ちゃんは愚痴も泣き言もまず言わない。そんな彼女から、初めての、告白。

あまりにキツい内容で、絶句して、何もかえせなかった私。

その言葉がずーっと、何年も私の心に刻まれた。

そんなことない、そんなことない、そんなことないよ。

けど、それは私が思うこと。いろんなことを思う人がいる。

2019年 秋。

小浜・旭座。

私は前日の予選の見事な「写真の仇討」もみていた。
決勝では、青い着物で、「強情灸」を披露した安芸ちゃん。
会場の一番後ろから、お客さんの反応も一緒に見ていた。

色んな形が落語にはある。
個性で笑わせる人、間で笑わせる人。

だけど、安芸ちゃんほど、

「よい落語、噺は後世に残して繋いでいくもの」という側面を体現してくれる人がいるだろうか?

この落語は、本来どういう姿で後世につないでいくか?
強情灸という落語は、かくあるべき、という姿を見せてくれ、爆笑の中、優勝した。
やっと、あの日の、あの電話をきっちりと二重線で抹消できた思いがして、泣けた。

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そんな安芸ちゃんの落語の中で、私が最も好きな「巌流島」を、日曜日、ちりとてちん杯の優勝者落語披露でやってくれます。
決勝の時「勝つなら、絶対、巌流島がいいよ」といった私の言葉を覚えていてくれたんです。

会場のみんなを、江戸の船旅へ、どうぞ連れていってください。

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プロフィール

千壱夜舞歌(せんいちやまいか)

Author:千壱夜舞歌(せんいちやまいか)
落語を趣味で楽しんでいるだけのもの。
プロの落語家さんとは全く異なる修業もしていない、ただの素人です。
『登場人物に虎がいれば虎柄、金魚がいれば鱗柄の着物で出るビジュアル系。
 関西出身・上方落語。』

普段は公民館などで無料で落語を披露させて頂いています。
下は華やかな舞台に出演させていただいた記念に、1つだけ貼らせてください。

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◆米朝師匠の好きな言葉
<その1>
噺家になったのは好きやからということもありますが、一人でやる芸で、衣装も大道具もメーキャップもなしで、それでいてドラマのような世界が描ける、それに魅力を感じたからです。
私の描いた世界と、受け手の世界が一致する。そのときは冥利を感じます。

<その2>
「あんたには、それが見えてなはんのか?あんたに見えてないもんは、お客さんにも見えませんのやで。」

◆自分から自分へ
腹を括れ。落ち着かないと半人前以下。

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