行ってまいりました!2022年 女流落語大会ちりとてちん杯。
毎年、全国から多くの女性がやってきて、なんとも和気あいあいとした会です。
ほんの数年前は委縮しまくって、どこにたたずんでいたらいいのやろと挙動不審だった私も、3回目となれば知り合いも多く、のびのびと当日を過ごせました。
台風で新幹線が止まり、米原からレンタカーの予定が敦賀から。
それでも何とか間に合い、予選会、ラストで出演させて頂きました。
演目は「シンボルマーク卒煙」
高座でおっぱいを連呼する、けったいな落語です。
数年前、落語仲間の男性がつづった子供の乳離れの日記をよみ、面白いなと。
「シンボルマーク卒乳」という、現代の乳離れシステムを知り、また、その方の
「子供の姿をみて、喫煙者を憂う姿」がさらに面白く、いつか落語にしてみたい、と。
今年は自分の会を持ち、会の名前が「実験室」。
よし、実験させてもらおうと、この落語を作ってみました。
ところが、私も初めて知った「シンボルマーク卒乳」というやり方を高座で伝えるのが難しい。
断乳も卒乳の耳慣れない言葉。
最初は説明が過ぎる感じ。
お母さん役で自分で再現していく。
抱く私。見上げる赤ちゃん。
結果、
「舞歌さん、舞歌さんがおっぱいおっぱいと連呼して赤ちゃん抱いてると舞歌さんのおっぱいを想像してしまって、エロいです」
ヒー!塩梅が難しい!
授乳せんわけにいかんし?
迷走。
2回ほど高座にかけてみたが、お客さん、キョトーン。
いいとは悪いとかじゃなく、「ふーん」みたいな?
仲間からの指摘 「で、これの、どこを描きたいんですか?」
そう、そうや、そこも迷走しとった。
赤ちゃんの乳離れと、お父さんのたばこ離れの合わせ技の噺にしたかったんや。
高座でゆっくり母乳やってる場合じゃない!
急遽、主人公をお父さんに変更!みたいな。
あと、いつもの「なんとなくいい話」っつうだけの落語もどきに、落語らしいクスグリとオチいるやん。
えー、何追加したらいいの?
「舞歌さん、人肌のドリンクバーっつうの、どうですか」
「お父さんの煙草はキャメルのラクダがいいんちゃいますか?」
「禁煙と卒乳がリンクしない、一緒にやったほうがいいんちゃいますか」
結果的に、仲間が言うてくれた事を取り入れてできあがった。
取り入れて?ちゃうやん。殆ど、みんなが言うた事でできあがってるやん!
これ、私の落語って言うたら失礼やわ(笑)。
ちりとてちん杯 当日。予選会。
想像してない笑いの量。いや、そんな、笑い待ちの時間取る予定なかったし!
心の中で、すいません進めます、と、無視して進める。
夜の発表会で、予選通過の知らせ。
あやめ師匠に
私「明日までにどこか直すところないでしょうか?」
あやめ師匠 馬るこ師匠ともに 「無いです」
え?無い?え~!!嬉しいような、なんか複雑!!
あやめ師匠 「ただね、伸ばせばダレるのでそこは注意。だから、マクラでね、自分の時はこうだった、子供とこんなんでしたとか、そんな話をして、お客さんに、そうそうと、身近な存在と思ってもらって入ったほうがいい」
私 「はい!ありがとうございました」
そ、そこやがな~~!!
私、子供いてへんのよ、授乳してないのよ(笑)。
話したいけど、話せないやんかいさ~~(笑)。
「えと、私には(子供)居てないんですが、とあるお父さんの子供とのエピソードで・・・」
決勝前夜、落語仲間の前でマクラふってみたが
「うーん、子供がいないとかいうと、色々と想像させちゃいませんかねえ」
そうやねん。そう。子供いてなくても、別になんとも思ってないタイプやねんやけど、そうよなあ。
居ないっちゅうのを、あえて言うのもなあ。
そう。落語は想像させる芸やから、マクラも皆さん色々想像して聞いてくださるしな。
で、ほぼ、自分の事を語らない形で、決勝に臨んでしまった。
あやめ師匠、ほんま、貴重な助言、すんません~!まったく語れませんでした。
今思い返せば、おそらく15分の決勝の舞台、約3分くらい余らせたと思うので、丁寧に
「子供いないけど、それは何とも思ってない事で、でも、多分、居ないからこそ、このエピソードを新鮮に感じれたし面白い事だと気づけたんだとおもうんですよ!」とか何とか言ったらよかった。
まあねえ、マクラ、超絶苦手なんでね、5分もマクラしゃべったことないし。日本語苦手やし。
仕方ないっすよ。そんな腕ありませんから。
だいたい、当日のマクラで
「えっとお、米原からレンタカーでここに来るのを、
舞鶴に変えてえ~」
↑
敦賀じゃ!
そっちのツルと違う!!
こんなことやってる時点で、もう、アウトじゃ(笑)。
そうそう、去年はオチにつながる仕込みを、マクラふるのすっ飛ばしたしなあ(遠い目)。
ま、とにかく、
あの噺、お母さんのお乳をファミレスにあるものに例えたり、動物に例えたりと、本当のお母さま方はおこったりしないだろうか?失礼じゃないだろうか?際際をせめすぎて、傷つけてはいないか?
その辺を知りたくて、この女性落語大会に連れてきた。
漫才のノンスタイルの石田さんが「4つんばいになって、子供にお乳あげている姿を逞しいし美しいと思った」
というリアルに後押しされて、私もそれは、母として美しい姿だと信じて、入れる事にした。
だから、披露した後、ママOB達に(あやめ師匠含む)好意的に受け入れられて、心底、ホっとした。

母となった妻が神々しすぎて近づけない、というセリフは、私の中にチラリと影をひそめる雄性?が感じていたこと(笑)。
この話を沢山の女性に気に入ってもらえたことが、一番の賞品でした。
審査員特別賞は、すべての子育てしたママに送りたい。パパは煙草やめてね~(笑)。
私には、身に余る賞でございます。
同じく決勝に進んだ方々は本当に素晴らしかった。
私は、メンタル面の強化をしつつ(時間かかるよ、わかってるよ)。。。
様々に助言くださった方、本当に本当に、ありがとうございました。